りんの日本酒ブログ 酔いどれ小町

飲みにいけるアイドル総監督/卯月りんの酒飲みブログです。 住んでいる浅草をベースに日本酒について、勉強した事や情報、おすすめの日本酒、5秒でできる即席つまみなどを紹介します。

【日本酒イベント】蔵元が教える日本酒の楽しみ方

みなさん、新しい試みをすることは得意ですか?
こうあるべき!と言われていたものから外れて新しい事をすること。型破りだと言われながらも既存の枠から出てみることは、物凄くハードルが高いですが、それを行う人が次のムーブメントを起こす人間だと思います。
本日はいままで「淡麗辛口」が主流だった日本酒業界に、「甘酸っぱい」日本酒という新ジャンルをつくりあげた仙禽酒造、改め「株式会社せんきん」の薄井さんに、日本酒のことを教えていただきました。

【日本酒イベント】蔵元が教える日本酒の楽しみ方

スーツ姿で登壇してくださった薄井さん

スーツ姿で登壇してくださった薄井さん

今回は、おいしいアカデミー第4回目の、「蔵元が実際に教える日本酒の楽しみ方」に参加してきました。講師は、「株式会社せんきん」の薄井一樹さん。冒頭にも記載しましたが薄井さんは日本酒業界の中に「甘酸っぱい」という新ジャンルをつくりあげた時代の先駆者でもあります。

講師は蔵元の薄井一樹さん

酒造りの大きい樽と一緒に

酒造りの大きい樽と一緒に

蔵元の方から直接話が聞ける機会!と意気込みながら参加したのですが、まず驚いたのが、薄井さん実家が造り酒屋でありながら、進んだ道はワインソムリエだったそうです。

しかし、実際に日本酒に新しいジャンルを作り出せたのは、異業種のソムリエ時代に学んだ知識から得た経験が大きいそう。

「タブーに挑戦できたのは、私が日本酒造りの素人だったからだと思います。ワインソムリエの時に、あらゆるアルコール飲料について勉強しました。そこで学んだ事と経験を日本酒にも当てはめたのです。業界の常識や先入観が無かったことで、新しい価値観のをお酒を生み出せたのだと思います。」

全ての経験が今につながるとはこのこと。違う業種で学んだことを、別の業種に置き換えて活かす。これは日本酒業界だけではなく、すべてのことに言えることですよね。冒頭から深いです。

まずは「せんきん」について

お酒造りの話にブランディングの話がでるとは…!

お酒造りの話にブランディングの話がでるとは…!

日本酒の話のまえに、薄井さんの酒造「せんきん」のお話から。

実は、薄井さんが酒造りに参画する前は、「せんきん」は、大量生産大量消費の薄利多売のお酒だったそうです。いまの「せんきん」のイメージからだと信じられませんが、質より量で普通酒の出荷が90%以上だったそうです。

そこでまず薄井さんが行ったのが、「せんきん」のブランディング。まさかのここでマーケティングの話が出るとは思いませんでした。でもこのブランディングが物作りにはなにより大切なこと。ユーザーが何を求めているのか、そして自分の造りたいものはどうゆうものなのか、ここをはっきりさせることが重要だとおっしゃっていました。

「当時は『せんきん』だけでなく、どの日本酒も『淡麗辛口』で似たり寄ったりの味でした。日本酒のイメージも『おやじの飲む酒』、『悪酔いする』から変わらない状態で。『せんきん』もそうでしたが、その『安かろう、まずかろう』の大量生産酒のイメージをひっくり返すためには、まずは飲み手に振り向いてもらえるような『質』と『インパクト』だと考えリブランディングを行いました。」

まず、変えたのは「質」と「味」

まず変えたのは、お酒の「質」です。ここは今までの生産量の90%が普通酒がだった所を、純米大吟醸を85%、残り15%を純米酒と大きく変えました。生産量が少なくなってもいい。まずは「質」を上げることを優先的に行ったそうです。

また、「味」も淡麗辛口から飲みやすい「甘酸っぱい味」へ。アルコール度数も通常の日本酒が15~16度の所を、「せんきん」は12~16度前後に抑えました。

「お酒のブームはご存知ですか?実は最初は日本酒、そこから焼酎の水割り、白ワイン、ビール、ハイボールとどんどん度数が少なく、女性でも気軽に飲みやすいようなアルコールにシフトしているんです。日本人は欧米人と比べてお酒が強い人は少ないです。なので、まずは飲んでもらいやすいように『質』も『味』も大幅に変化させました。」

次の変化は「販売チャネル」

お酒の知識と管理ができる販社だけに扱ってもらう

お酒の知識と管理ができる販社だけに扱ってもらう

そして次に変えたのが、「販売チャネル」。

「いままでスーパーやコンビニでも手に取られやすいように販路を広めていましたが、そこを全部辞めています。スーパーやコンビニでも置かれる酒というものは強い酒です。その場合、温度変化や環境にも絶えられるように加工が必要です。リブランディングした「せんきん」のお酒は原酒であるのが前提なので、温度管理が必要な繊細なお酒です。お酒の知識がきちんとある一部の酒屋さんや販売店にしか置けないし、置かない。それでいいと思っています。」

そんな「せんきん」が飲み手に注目してもらいたいのは「酸」

薄利多売のお酒から、ブランディングを行い伝統工芸品としての日本酒を造ることに方向性を変えた薄井さんが、飲み手に着目してほしいのは日本酒の「酸」だそうです。

うわ、難しそうな図‥!

うわ、難しそうな図‥!

そこで説明があったのが、この難しそうな図。文系出身のりんは思わず頭が痛くなるほど。でも、そこは薄井さん。

「今日はこの中でも『リンゴ酸』『乳酸』だけ覚えれば大丈夫ですから!」と一言。

よかった、その2つなら聞いたことあるし、覚えて帰れそうです。

まずは「リンゴ酸」と「乳酸」だけ覚えて下さい

覚えるのはこの2つで大丈夫です

覚えるのはこの2つで大丈夫です

「リンゴ酸」と「乳酸」の違い

「リンゴ酸」と「乳酸」の違い
・リンゴ酸=温度を下げると人体が美味しいと感じる、夏に人体が欲するのは「リンゴ酸」
・乳酸    =温度を上げると人体が美味しいと感じる、冬に人体が欲するのは「乳酸」

 「リンゴ酸」と、「乳酸」の違いはこちらだそう。

日本酒に含まれているこの「酸」で、温めて飲むと美味しいのか、冷たくして飲むと美味しいのかが決まるそう。

そしてびっくりなのが、季節ごとに体が欲する酸が変わるということ。日本酒の美味しさなんて、個人の好みの曖昧なもの…と思っていましたが、きちんと人体の理屈に基づいて造られているんですね…。知らなかった…。

といっても、ラベルには「乳酸菌○○%!」なんて書いてある日本酒ないですよね。ではどうやって見分けるかというと、教えてくださいました。

どうやって「酸」を見分けるか

「火入処理」をしているか、してないか

「火入処理」をしているか、してないか

「熟成」しているか、してないか

「熟成」しているか、してないか

見分け方の法則。それは「火入処理」と「熟成」の2パターンになります。
まずは「火入処理」をしているかしていないか。一般的な日本酒は、品質を安定させ、保存しやすいように「火入」を行います。

ラベルに「生原酒」、「生酒」、「生貯蔵酒」、「生詰め酒」と記載があるものは「火入処理」をしていない、または「火入の回数が少ない」お酒になるので、このような記載がある日本酒はつめたく冷やしたほうが美味しい「リンゴ酸」が多いお酒になります。

次に「熟成」度合い。

こちらは貯蔵状況にもよりますが、お酒を造って半年経つと、「リンゴ酸」が減りだし「乳酸」が増えるそう。お酒を造るのは冬なので、春~夏に出回る「しぼりたて」や「新酒」、「夏酒」は「リンゴ酸」が多めなので冷やして。秋から出回る「秋あがり」、「冷やおろし」や「熟酒」「古酒」等は半年以上経過して「乳酸」が増えているので、冷やすよりは常温~熱燗で楽しんだ方が美味しいとのこと。

季節ごとに人体が欲するの「酸」が変わるとは、これはとっても驚きでした!

最後に「せんきん」の飲み比べ

どれも美味しかったです…!

どれも美味しかったです…!

こちらは、「せんきん」のシリーズ違いの日本酒です。どの日本酒も冷やして飲んでとってもすっきり飲みやすいお酒でした‥!

低アルコールだから飲みやすいのかな…とラベルの裏をみると、どのお酒も15~16度。

低アルコールというより、どれも大吟醸の磨き上げたお米からつくられたお酒だったので雑味がなく美味しかったようです。

ここで薄井さんから質問が。「3番に一番似ているお酒はどれでしょう」

3番に一番似ているお酒はどれでしょう

3番に一番似ているお酒はどれでしょう

1番と2番はかなり爽やかすっきり系で、3番と4番は雑味がなく余韻も少なめ…これは4番?と思い、4番に手を上げてみました。

するとにっこり薄井さん。「そうなんです、味が似ているのは3番と、4番なんです。でも実は1番、2番、3番に使われているお米は『山田錦』で、4番だけ『雄町』なんですよ。」と笑いながらお話してくれました。

ちなみに見た目ではちっともわかりません

ちなみに見た目ではちっともわかりません

「日本酒の味の決め手は『造り方』と『酵母なんです。

ワインのような単発酵のお酒は、ブドウからそのまま造られているので原料のブドウの味でワインの味が決まるのですが、日本酒は世界で一番複雑な並行複発酵。そのため『造り方』と『酵母』で味が決まります。3番と4番のお酒は、酒米は違いますが、『造り方』と『酵母』は同じなんです。僕も日本酒を飲んでどの酒米か当てるのは難しいです(笑)」とのこと。

これは前回にほんしゅさんも言っていたなぁ~!なるほどぉ。

以上、「せんきん」の蔵元さんが教えてくれる日本酒の楽しみ方でした。人体が欲する「酸」があり、それにより日本酒のもっとも美味しい温度が変わる…。

この考えははじめて知ったので勉強になりました。今度日本酒を飲むときにはその部分も十分気をつけて飲んでみたいです。

次回のおいしいアカデミーは「日本酒とチーズ」

チーズ、大好きチーズ。

チーズ、大好きチーズ。

さて、次回は「日本酒とチーズを合わせてみよう」ということで、唎酒師と日本酒額講師、チーズプロフェッショナルなどの資格を持ち、名前に「チーズ」を入れてしまった圓子チーズさんが相性を教えてくれるそうです。うわあ、食べ物系のアカデミー、ご飯大好き、おつまみ大好きな私には嬉しい講座になりそうです。

いまなら「おいしいアカデミー」の受講、私に声をかけていただければ10%Offになりますので、お気軽にDMまたはメールください。

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👇おいしいアカデミーのWebサイト

「おいしいアカデミー」とは、私が最近通っている、ぐるなび主催の「美味しい」「楽しく学ぶ」をコンセプトとして、同じ食が好きな方と一緒に、レストランで飲食しながら日本酒・ワインを楽しく学べるセミナーです。

👇「せんきん」さんのWebサイト

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卯月りん uzuki.riiin@gmail.com

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